企業にとって後継者不足が深刻です。M&A市場やスタートアップによる第2創業など活況ですが、よく見るとITやIOT市場を横目に展開しているように見えますが、その先は...
中小企業白書によると休廃業・解散の企業が過去最高、既存企業の生産性向上を訴求した内容になっています。生産性の向上目的でIT導入やIOTへの適応、M&Aによるマッチングを望むような内容になっていますが...
IT導入で生産性向上って間違ってないけど
どんな企業ですか?
これまで何十年と続けてきた匠の技術やモノづくり。
「今こそIT導入で業務プロセスの見直しを付け加えれば生産性向上が望めます!」
と聞くとこれこそ正解だと信じると思います。もちろん間違いではないでしょう。
でも、生産性の向上は将来への発展にどの程度寄与するでしょうか?同じモノづくりを続け、業務プロセスの見直しだけでも目先の生産性は向上するでしょう。去年よりも生産性が向上し前年度比では向上です。しかし来年度は同じ生産性ですので変化なし。
もちろんBCG(ボストンコンサルティンググループ)が発見した「習熟効果」と経験曲線の傾きは大きくなり累計生産量が想定よりも少ないうちに実質単価(原価)が下がるので利益率は大きくなるかもしれません(少し深くなるので詳細は割愛)。
ただ、ここでふと思うのは「去年と同じモノが今年も同じニーズを維持するか」です。
生産性の向上は必要ですが十分では無いと思うのです。IT導入で生産性を向上すれば現状の課題を解決できる会社ですか?本当の課題はどこにある企業なのでしょうか?その「なぜなぜ」を繰り返してこそ本当に望むべき必要十分な取り組みが見えてくると思います。
企業を維持継続させ、市場に存在し続ける使命
流れにまかせる流木となるかうねりをつくる玉石となるか
日本は多くの中小企業で成り立っています。その中小企業は毎年何万と生まれ何万と消えています。ITやAIの流れが速く、その時流についていけない企業は産業構造の変革にもついていけずに継続できない危険がある。もちろんその可能性は年々大きくなってきています。しかし、だからと言ってほとんどの中小企業が危ういかというとそうではありません。このグローバル化やAIなどの新技術進歩は目覚ましいのですが、一方で変わらないのは「モノは生み続けられる」ということです。
インターネットの普及やデジタル化の波で半導体などコア製品の確保は必須と思われていました。しかし、今となっては中国やアジアの製品が取って代わってきています。ただ、日本の現在の景況感は高く、その源を考えると”世界トップの製品を保持し続ける”ことから”世界を支えるプラットフォームを築く”ことに日本のビジネスの軸足が移ってきたように思います。いわゆるナンバーワンではなくオリジナルな位置取りを狙ってきたように感じます。ナンバーワンはいつかは追い抜かれる。しかしその競争が行われている土俵自体は手つかずの大地かもしれません。流れに任せる流木のごとく潮流に乗る企業でも、うねりをつくる玉石になる企業でも正解でしょう。でも、その流れを生んでいる川自体、あるいは水自体を生む企業を目指しても正解です。どんな企業でも市場に(社会に)存在することに努力し続けることが市場経済上は必要です。だからこそ危機感を持つ中小企業におけるモノづくりも今まで需要があった市場が恒久的か変化しそうか、変化するならコアな部分をどう展開するか?その議論に投資したほうが去年よりも今年、今年よりも来年の企業価値や存在意義が向上すると思います。
今だからこそ安牌で回さず高メを狙う
どの企業もが変革期なら今こそ投資
ある経営者と話をしたとき、AIなど新技術の進歩や量子コンピューターの実現などで自社の存在価値がなくなるかもしれない、と危機感を持たれていました。AIの進歩などで自社のコアコンピタンスが代替されるようになればもちろん取って代わられるかもしません。しかしこれまで蓄積した企業ブランドや人財までもが代替されるわけではありません。企業のコアコンピタンスを転換し、AIが進歩した先にある土俵を、川の流れ自体を創り出すブルドーザーを提供するのも選択肢かもしれません。長年営んだモノづくり経験やノウハウでどんな流速でどの程度の広さのある川にすればいいかは検討がつくと思います。そこに必要な要素こそ変革を狙える投資だと思います。
麻雀の世界にも流れがあります。最終局面の少し前、まだ順位が確定できないような混沌とした場面、この時の流れを制するのは安全な牌で保険を掛ける人間よりも高目(高得点)を狙う人間のほうが勝算が高くなります。
現状の世界、現状の市場ニーズに合わせたままで「生産性の向上」で戦うか、どの企業もが変革期だからこそ見えない市場を狙いに高目を目指す投資をするか?
きっと投資した価値そのものも勝算も後者が優位だと思います。
Bình luận