医療機関での一般的な検査は自動化が進み、採血後はすべて機械が自動で測定します。特殊な検査でも自動化の波は押し寄せています。AIや量子コンピューターも侮れません。とはいえ、そんな検査の世界でも永らく変わらないものがあると思います...
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医療市場でもAIや自動化、あるいは量子コンピューターなんて言葉が目立ちます。
品質と安全性の担保には自動化。一見その通りに聞こえますが。
国内の医療機関で一般的な血液検査項目だけでも数十種類、気になる症状があればさらに数種類の検査、生化学検査など特殊な検査もあって素人にはどの数字がどの程度でどんな症状と判断されるのかよくわからないと思います。
医師は全体的に検査数値を見て総合的に判断するのですが、何人かの医師に聞いてみるとそれぞれの症状による特徴的な数値の異常で判断しているとのことでした。”肝機能が云々”なども当てはまりますね。
最近では自動化が進み、AIも進歩しているため上記のような”総合的な判断”も世界中の論文や多くの医師の判断を積み重ねて、近い将来には”先読み”するかもしれません。そうなれば医師の判断もばらつきが少なくなり安心して検査数値にも納得できるかもしれませんね。
でも、自動で測定している機械は同じ検体ならどこでも同じ数字が得られているでしょうか?これこそ最大の課題だと言えるのです。
検査機器自体は正しく動いているが...
それぞれの医療機関ごとに導入している検査機器は違っています。もちろん市場のシェアが大きい主力の機器はあるでしょう。機器自体はきちんと測定していても機器ごとの違いや地域の違い、夏場や冬場の違いなど色んな状況で少しずつ数値の違いが発生します。各医療機関で検査数値の説明があっても”診断の目安となるもので絶対的な数値ではありません”や、”検査機関や検査方法によっても基準値に差が出る場合があります”などの一行があります。全国の検査機器を同一に校正できるデバイスや試薬があれば間違いなくニッチな領域で寡占できると思うのですが...
そもそも変わらないもの
先の問題は患者様の手前である医師、その医師の手前である検査数値、検査数値の前にある検査機器。この検査機器が個別では正確で高品質な測定装置。ところが色んな状況で検査機関ごとに基準値や数値のズレが起きてしまいます。機器の前にあるのが採血管や看護師の採決方法など。ここまでくると、どこにどの程度のブレが潜んでいるかで天文学的な数値で可能性が出てきます。
それでも変わらないものは何か?それがモノづくりであり、製品自体ではないでしょうか?
生化学検査で用いられる「免疫検査」などは抗体が絶対的な材料になります。
イムノクロマトと呼ばれるような簡便な検査装置でも核となる部分は抗体です。
その性能を最大限に発揮させるのが試薬の調整や機器の感度となります。
AIが進化しても量子コンピューターで数千年分の計算を一瞬で行っても、その前に抗体があって測定したデータがないと始まらないのですから。
技術もそうですが、人間もそもそも変わらないもの、その強みを知っていればAIや流行りのシーズなどを逆に活用して価値を高められると思うのです。
人前で話すのが得意...ならその強みで交渉や説得という特殊スキルとして価値を高められそうですね。
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